身体に良いもの・悪いものを探す上で最も厄介な存在の一つ――。それが油である。
なぜならこの「油」、比較的短いスパンでその善し悪しが平気で逆転する代物だからである。
動物性油脂より植物性油脂の方が良いとされていたかと思えば植物性油脂の方が悪いとされたり、オリーブオイルが身体に良いとブームになったかと思えば植物性油脂と変わらないとされたり、特定保健用食品(まずもってこの「トクホ」が別に信用できないけれど)だった油がその安全性が不明だとして販売中止にされたり、マーガリンよりバターと言われていたものが最近はマーガリンの方がむしろトランス脂肪酸が少ないとされたり……など、とにかく枚挙に暇がない。
そもそも身体に良いとされる油だって、酸化してしまえばもはや毒であるがゆえに、調べれば調べるほど混乱し、しまいにはいっそのこと石油をそのまま飲みたくなる衝動に駆られたりもするが、結局ここでも自身の線引きが重要視されることになる。
極論を言えば油を摂らなければいい、となりそうだが、そうまでして健康を追い求めるということが果たして健康に繋がるかが甚だ疑問である。
健康を意識する=不健康をイメージする(「回避」は相当な意識をそちらに持っていっている)ことなのだ。
さて私自身はというと、昨今の情勢で爆上がりされると予告されていたオリーブオイルを事前に多く購入していたので、現時点ではこのオリーブオイルを使うことにしている。しかし今後(ストックがなくなった際)はいくつかのルールに則って、使用する油そのものよりも頻度に着目したいと考えている。
安価な植物性油脂には安いなりの理由があると思われるためそれを避けるにしても(高ければ良いというわけでもないが)、要は「質より量」なのではないかと現時点では考えているのだ。
結論。どの油が正解かが分からないからそもそもの摂取量に気をつける、そして複数の油を併用すること(混ぜるわけではない)でリスクを分散させる。そのためには摂取量及び酸化に気をつける意味合いから、容量の少ない油を購入する、ということにした。
油に関する情報は食品に意識を向けている人に聞いても意見がマチマチであり、また前述のように一般的な論調も変わるため、誤解を恐れずに言えば「いったん忘れる」のが正解なのかもしれない。