スーパーの陳列棚を見回した際、最近「無添加」と大々的に謳ったパッケージを見なくなった気がしないだろうか。
その理由はおそらく2024年3月より、消費者庁が「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」の適用を開始したため(猶予期間内に対応をした企業の商品は2024年3月以前より表示を改めたと思われる)。
外部リンク(PDF):消費者庁|食品添加物の不使用表示に関するガイドライン
このガイドラインは消費者にとって有益である反面、消費者・製造(販売)元共に負担となる部分も孕んでいると個人的に考えている。
製造(販売)元への負担として真っ先に考えられるのは、パッケージ刷新の必要性。ここには当然、相応の費用負担が強いられるであろう。
そして仮にこの費用負担分を製品価格に転嫁しなければならない場合は、消費者側から見たデメリットとなるのは必然だ。
製造(販売)元への負担として次に考えられるのは、ガイドラインの煩雑さによって、本来「(純粋な)無添加」なのに企業側が安全策をとって不記載としまうケース。あるいはパッケージの記載範囲の問題で正しい表記が行えず(厳密な表記はその記載が長文となってしまうため)、「無添加」あるいは「不使用」だけど「表示は割愛しよう」とされてしまうケース。
これらもまた、間接的に消費者のデメリットとなってくる。
消費者の直接的な負担としては「無添加」あるいは「不使用」の記載を基準として製品を選んでおり、結果的に「良い商品」を購入できていたケース。
この場合は、そもそも食品に気を遣っていた消費者が該当すると思われるが、パッケージをつぶさに確認しなければならなくなる――つまるところ時間と労力を要するというデメリットが生じるのである。
消費者を守るためのこのガイドライン。良い面ももちろんあるだろう。しかしそもそもこのガイドラインの存在周知がそこまで徹底されていないと感じるのは気のせいだろうか。